Skip to main content
amazon自動価格設定

Amazonセラーセントラルで使える価格の自動設定機能について

Nakamura


Amazonの価格自動設定ツール

amazonセラーセントラル自動価格設定

Amazonに価格の自動設定ツールがあるのは、ご存知でしょうか。

場所は、Amazonセラーセントラル画面にて 「価格」>「価格の自動設定」です。

※表示されていない場合「設定」 > 「ユーザー権限」にて対象ユーザーの「アクセス権限の管理」を選択して「価格の自動設定」項目で表示されるように設定。

設定できるモデル

設定できる価格モデルは次の4つです。

  1. 競争力があるショッピングカートボックス
  2. 競争力のある最低価格
  3. 他社サイトの価格
  4. 販売点数に基づく

以下Amazonの公式ページからの抜粋です。

競争力のあるルールとは何ですか?
SKUには、ショッピングカートボックス価格または最低価格を下回るか、同等、もしくは上回る価格を設定できます。このルールタイプは、同じ商品を複数の出品者が出品している場合に役立ちます。


他社サイトの価格設定ルールとは何ですか?
SKUの価格は、他社サイトの価格と同じになるか、他社サイトの価格が上限値となります。他社サイトの価格とは、他の小売業者によるこの商品の最低価格であり、他のAmazonの出品者が設定した価格は含まれません。出品者の価格と配送料の合計が他社の価格を上回る場合、出品商品はショッピングカートボックスを獲得できない可能性があります。

販売点数に基づくルールとは何ですか?
設定した期間内に選択した販売点数の目標に基づいて、SKUの価格を下げることができます。このルールタイプは、余剰在庫の清算や需要ベースの価格の自動設定など、販売点数に基づいて価格を変更する場合に役立ちます。

価格の自動設定機能のメリット・デメリット

Amazonの価格の自動設定は使い方次第ではとても便利なツールです。

なんといってもAmazon純正のツールなので、機能的な品質の担保は抜群です。

メリット

いくつかメリットがありますが、ここでは3つ挙げます。ポイントは時短、コストカット、価格戦略の考案です。

これまで手動で価格を変更していた方はこのツールを利用することで圧倒的に時間短縮できます。

ツールの良いところは365日24時間設定したルールに基づいて稼働してくれる点です。

また、Amazon以外の有料システム(参考:https://services.amazon.co.jp/services/solutions/autoprice.html)を使っている方は、Amazonの価格の自動設定機能はほぼカバーしています。

Amazon以外の価格改定ツール
Amazon以外の有料 価格改定ツール

また価格戦略を持っていない方はこの機能を上手に使って、御社オリジナルの価格戦略を策定して、運用することができます。

デメリット

万能なツールはありませんので、このツールのデメリットを3つ挙げるとするならば、値引き合戦、値上げできない、必要以上の値引きになってしまうことです。

どれも設定次第という条件付きです。まずは値引きが合戦になるとは、競合出品者より10円安い価格を設定すると、万が一競合も同じ設定をしていた場合、10円ずつ値下げして、あっという間に設定している最低価格まで急落します。

また「販売点数に基づく」価格設定では値上げできない仕様になっています。

たとえば、ある期間で販売点数が減少してきた結果、値下げのルールが発動します。その後、販売数が少し戻ってきました。

これは原因がいくつかあります。値下げしたから戻ったのか、競合商品がなくなったのか、何らかの原因で需要が拡大したか。

後者2つにおいては、値下げできない機能だと都合が悪いですよね。なぜなら、値上げしても売れる機会を損失しているからです。

最後に比較的新しい機能のAmazon以外のモール価格を参考にしてアクションする機能があります。

この機能を有効にすると、次のようなケースの場合、必要以上の値下げになります。

競合他社サイトの価格設定の「他社サイトの価格に一致」を選択すると、

ある商品Xの場合

  • 自社のAmazonで5,000円(送料込み)
  • 他社が楽天市場で4,900円(送料別)

→自社のAmazonの価格が5,000円→4,900円になる

ここで問題が2つあります。

問題点 1

1つは、必要以上の値下げです。Amazonで購入する人は楽天市場やYahooショッピングなど他のモールを参考にする人はどれくらいいるでしょうか。

Amazonだけしか見ないユーザに対しては必要以上の値下げになっています。つまり5,000円でも買ってもらえる可能性があるのに、4,900円に値下げして不利益をこうむる可能性があります。

Amazonで購入する人は楽天市場やYahooショッピングなど他のモールを参考にする人はどれくらいいるでしょうか。

Amazonだけしか見ないユーザに対しては必要以上の値下げになっています。つまり5,000円でも買ってもらえる可能性があるのに、4,900円に値下げして不利益をこうむる可能性があります。

問題点 2

もう1つの問題は、他モールの比較価格に送料が入っていないことです。

例えば、先ほどの例だと、

楽天市場の価格4,900円+送料500円=5,400円

本当は自社Amazonの5,000円と5,400円を比較すべきなのです。

メリットデメリット
手動で価格調整していた人は時短になる設定次第では値引き合戦になる
Amazon以外の有料システムを使っていた人はコストカット設定次第では値上げできない
自社の価格戦略を考えるきっかけになる設定次第では必要以上の値引きをしてしまう

Amazonの価格の自動設定の使用例

とはいえ、価格の自動設定は使い方次第では便利なので使うべきだと思います。

ここで2つほど使用例を挙げます。

(ケース1) 5,000円の新作商品Yを3か月で売り切りたい、下限価格は初期価格より40%オフ

この場合「販売点数に基づく」機能を利用します。

設定は、7日に1回、その期間の売上数が1点より少ない場合、価格の下限に達するまで価格を1.00%ずつ下げます。

期間中1個も売れない場合の値動き
期間中1個も売れない場合の値動き

期間中1個でも売れた場合値下げされません。ただし前述の下通り値上げ機能がないので、例えば4,500円まで値下げした場合それ以上の価格に戻ることはありません。

(ケース2) 10,000円の定番商品を最低価格8,000円で設定、同条件の競争相手に標準を絞り、カート価格合わせにする。

この場合「競争力のある最低価格」機能を利用します。

設定は、最低価格と同じ、特定のタイプの商品の4つのチェックボックスにすべてチェックをいれて、他社サイトは比較しない。

※「競争力のある最低価格」と同じようなルールで「競争力があるショッピングカートボックス」もありますが、ここでは前者を利用します。

理由は、後者ではチェックボックスが2つしかりません。ちなみにどちらのルールもprime発送を考慮できませんので、ぜひ改善してほしいです。

この設定にしておくと、最低価格を下限としてカート内で価格競争力が自動で保持してくれます。ただしデメリットとしてはこちらがprime設定で、相手が非primeの場合でも、相手価格に合わせてしまいます。

最後にAmazon公式サイトで価格の自動設定で想定される例のコンテンツがありますのでご参照ください。

▼価格の自動設定で想定される例

https://sellercentral.amazon.com/gp/help/external/help.html?itemID=201996550&language=ja_JP&ref=efph_201996550_relt_G34151

店舗視点でほしいKPIは「利益」「在庫数」

Amazonの価格の自動設定機能はないよりましですが、あくまでAmazonとユーザ向けに作られた機能です。

Amazonは売れた販売額の一定の手数料を得てビジネスが成り立つモデルで店舗の利益ではなくAmazon全体の流通額を重要視し、ユーザは商品をできるだけ安く買いたいので、この機能はバッチリはまります。

しかし、モノを販売する店舗目線で語ると、この機能に不足している指標があります。それは利益と在庫数です。

店舗は販売額を求めているのではなく利益額を求めています。利益が最大になる価格帯を設定できない仕様になっています。また、在庫数に応じて価格を決めたいと思う店舗もいると思います。

例えば、過剰在庫になっているので、値下げし月末までに正常在庫に戻したい。もしくは在庫が残り少なく今後も入ってくる目途がないため、安い価格で販売せずにできるだけ粗利を確保したいなどの要望があるはずです。このような細かい設定になっていないのです。

価格戦略のコツは商品グループごとに考えること

ネットショップで取り扱っているSKUは多い店舗で数千、数万個あります。膨大な数の価格設定を1つずつしていたら、時間がいくらあっても足りません。

価格戦略のコツは商品の属性ごとにプライシングルールを決めることです。

商品の属性とはブランドや在庫数ではなく、新作や定番商品のように商品の売れ方に着目します。主な商品属性は下記のとおりです。

商品属性説明
定番供給量に制限がなく1年を通して一定数売れる商品
新作新しく入荷した商品
限定品供給量に制限がある商品
処分現行の価格では売れない商品
その他上記以外、もしくは上記になる状態までの計測期間にあたる商品

まずはこのタイプを定義づけすることから始めます。その後、タイプごとのプライシングロジックを作り、タイプと自動で紐づけることです。

このあたりの詳しい説明は次回に譲ることにします。

この記事をシェアする